不動産売却で買取を選ぶべきケースと高く売るための不動産会社選び
不動産売却を考える際、選択肢として「仲介」と「買取」がありますが、状況によってどちらが適しているかは異なります。特に、早く現金化したい場合や物件の条件が良くない場合には、買取が効果的な方法となることが多いです。
また、買取で少しでも高く売るためには、適切な不動産会社選びが重要です。こちらでは、不動産売却における買取を選ぶべきケースや、高値での買取を実現するためのポイントについて詳しくご紹介します。
目次
仲介と買取の違いは?買取の2つの方法
不動産を売却される際、いくつかの方法が挙げられます。例えば、買取りや仲介などがそれにあたります。どちらによる売却が適しているかは場合によって異なるため、それぞれの違いを把握した上で最適な決断をされるとよいでしょう。
◇不動産売却における買取と仲介
不動産を売却する際、買取と仲介の2つの方法が挙げられます。買取とは、不動産会社に所有する不動産を買い取ってもらう方法のことを指し、仲介とは、不動産仲介会社などに不動産の購入希望者との間の必要な手続きなどを仲介してもらう方法のことを指します。
なお、一口に買取といっても、買取には即時買取と買取保証の2つの方法があります。即時買取はその名のとおり、即時に買い取ってもらう方法のことを指し、買取保証は定められた期間中に不動産が売却できなかった場合、不動産会社に買い取ってもらう方法のことを指します。
即時買取は早急に不動産を売却されたい方、買取保証は定められた期間中に高額で不動産を売却されたい方におすすめです。
◇買取と仲介の違い
買取と仲介の大きな違いとして、以下の4つが挙げられます。
売却までの期間
買取の場合は不動産会社に買い取ってもらうため、数日から数週間ほどで手続きが完了します。一方、仲介の場合は購入希望者を探す必要があるため、1か月半~3か月ほどかかるといわれています。
売却金額
買取の場合は人気のエリアではないかぎり、市場価格の60~80%前後での売却が予想されます。一方、仲介の場合は運がよければ、市場価格と同等の価格で売却できる可能性があります。
契約適合責任の有無
買取の場合は売却時の契約適合責任が免除されます。一方、仲介の場合は契約適合責任が適合されます。そのため、購入から3か月以内に問題が発生した場合は売主が修繕にかかる費用を負担しなければなりません。
不動産の買い手
買取の場合は不動産会社などが、仲介の場合は購入希望者が買い手となります。そのため、買取の場合は人気のないエリアであっても、買い取ってもらえる可能性があります。もしも、購入希望者が見つかりにくいようであれば、買取による不動産の売却を選択肢のひとつとされてみてもよいでしょう。
不動産売却において買取を選択した方が良いケース
画像出典:フォトAC
不動産売却において、早急に売却されたい場合、条件がよくない場合、事故物件に該当する場合は買取を選択された方がよい結果を得られる可能性が高いです。こちらでは、不動産売却において、買取を選択した方がよい例について、それぞれ、詳しくご紹介いたします。
◇早く現金化したい
何らかの事情があり、スケジュールに余裕がない場合やすぐにまとまった現金が必要な場合は買取の選択をおすすめします。その理由として、上述のとおり、購入希望者を探す必要がある仲介とは異なり、買取は不動産会社に不動産を買い取ってもらえるためです。そのため、仲介と比較すると、短期間での不動産の売却が可能です。
◇条件が悪く仲介で売れない
仲介による売却が見込めない場合は買取の選択をおすすめします。例えば、古い、問題が多い、立地が悪いといった条件を持つ不動産の場合は仲介による売却が見込めない可能性が非常に高いです。しかし、買取の場合は不動産会社などが修繕などを加えた上で販売するため、条件が良くない不動産であっても、買い取ってもらえる可能性があります。
◇事故物件
事故物件とは、自殺、殺人事件、火災、事件、事故などが発生した不動産のことを指します。そのため、事故物件は買取の場合は市場価格の10~20%、仲介の場合は20~30%での売却となってしまいます。売却価格は不動産の状況によって異なりますが、事故物件に該当する場合は高値での売却が難しい可能性が非常に高いと把握しておくとよいでしょう。
買取を選択した場合の流れ
買取を選択する場合は、不動産会社が直接購入するため、一般の買主を探す必要がなく、契約から売却までの期間が短縮されるのが特徴です。ここでは、買取を選択した場合の流れについて詳しく解説します。
◇相場の把握と必要書類の準備
買取による売却を行う場合、まず始めに買取相場を把握します。これにより、相場より低い価格で売却してしまうといったリスクを防げます。相場を把握したら、必要となる書類の準備を行います。なお、必要となる書類として、登記識別情報(登記済権利証)、固定資産税納税通知書、印鑑証明書、住民票(住所変更登記が必要な場合)、身分証明書、購入時の売買契約書、重要事項説明書などが挙げられます。
◇買取を行っている不動産会社に査定を依頼
必要となる書類を準備し終えたら、買取を行っている不動産会社に査定を依頼します。なお、不動産会社に査定を依頼した場合、実際に不動産を確認した上で査定を行ってくれるため、より詳細な買取価格を把握できます。
◇売買契約の締結
不動産会社から提示された査定金額に納得がいくようであれば、売買契約を締結します。手付金額の金額設定、引渡しのスケジュール、引渡し条件、必要書類、入金日などの確認および契約不適合責任免責条件の調整などは売買契約の締結前に行われます。この際、これらに加え、ご不明な点は詳細に確認しておくと安心です。
◇決済と引渡しを行う
売買契約を締結したら、最後に決済と引渡しを行います。司法書士の立ち会いのもと、必要書類の処理と鍵の受け渡しを行ったら、不動産会社との取り引きはすべて終了となります。なお、買取による不動産の売却を行った場合、利益の有無にかかわらず、確定申告を行う必要があります。
買取でなるべく高く売るための不動産会社選び
不動産を買取でなるべく高く売るためには、信頼できる不動産会社を選ぶことが非常に重要です。買取価格は会社ごとに異なるため、慎重に業者を選ぶことで、手元に残る金額に大きな差が出る可能性があります。
◇複数の不動産会社に査定を依頼
不動産を買取でなるべく高く売りたい場合、複数の不動産会社に査定を依頼することが非常に重要です。買取では、見積もり金額がそのまま買取価格になることがほとんどであるため、1社だけに頼ると、思わぬ低価格で売却してしまう可能性があります。
複数の会社に見積もりを依頼することで、各社の査定額を比較し、最も高い金額を提示してくれる会社を選べます。また、他社の査定結果を交渉材料として使うことで、さらに条件の良い取引ができる場合もあります
時間をかけずに効率的に売りたい場合でも、まずは複数の業者から見積もりを取り、慎重に選定することが高値での売却につながります。
◇買取実績の豊富な会社
不動産の買取を依頼する際には、買取実績が豊富な不動産会社を選ぶことが重要です。会社によって得意分野が異なるため、買取実績が多い会社を選ぶことで、スムーズかつ安全に取引を進めることができます。
しかし、近年では異業種から参入している買取業者も増えているため、信頼できる業者かどうかを見極めることが大切です。買取実績は多くの場合、会社のホームページに記載されていますが、実績が明記されていない場合やホームページがない業者には注意が必要です。
◇費用を差し引いた額を確認
不動産を買取してもらう際、見積もり金額だけで判断せず、解体費や修繕費などのさまざまな費用を差し引いた「最終的に手元に残る金額」をしっかり確認することが大切です。
特に古い建物がある場合、建物の解体費や処分費、土地の測量費など、売主が負担する費用が発生することがあります。買取価格が高く見えても、これらの費用が多額にかかると、手元に残る金額は少なくなってしまうため、注意が必要です。
不動産を売却する際、買取と仲介の2つの方法があり、それぞれに特徴があります。買取は短期間で売却が可能であり、特に早く現金化したい場合や条件が悪く仲介で売れない場合に適しています。仲介は市場価格で売却できる可能性があるものの、買い手を探す時間がかかります。
買取には即時買取と買取保証があり、目的に応じて選べます。また、買取を選ぶ際には、複数の不動産会社に査定を依頼し、費用を差し引いた「最終的に手元に残る金額」を確認することが重要です。信頼できる実績豊富な会社を選ぶことが、高値での売却に繋がります。